December 2010
108 posts
少し寒いです。 今日は新しい年なんだと あなたが言いました。 新しい年は、 ときどきくる。寒くなると、くる。 寒いです。 飯を炊いて 干し魚を少し噛みました。...
– おめでとう|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
僕は章子から離れられない、 でもそうでもないのかもしれない、 どちらでも面白い、と僕は思う。 章子がどう思っているのか、 僕は知らない。 僕たちは人生の半ばを...
– 僕たちは人生の半ばを過ぎたあたりにいる|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
ときどき、世界から、すこし外れる。
そんなとき、わたしは街角で、おじいさんに手をひかれた女の子のすがたを
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– ときどき意味もなくずんずん歩く|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
小学生低学年の
こどもたちを
教えていたことが、ある。
かれらは、よく、ねむる。
召されるような感じで、きもちよさそうに、ねむる。
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– あぶない! こぐまのくうぴい|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
冬の夜にすること。 ハンカチにアイロンをかける。 こたつの上のみかんを眺める。 手の爪をきる。 ラジオの深夜放送を聞く。 西脇順三郎の詩を声に出して少し読む。...
– ゆっくりさよならをとなえる|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
ダイエーのフードコートでミニチャーハンを食べていたときのことだ。わたしは不死について考えながらミニチャーハンを食べていた。不死とは何か、永続する魂は、フシというそ...
– 赤と黒の夜明け|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
そもそもの話、 べつに私が書かなくても、 すでに小説はあるわけで、 その上で、いったい私は 何を書けばいいのかという疑問もわいてくる...
– 書きあぐねている人のための小説入門|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
こころがとざして 耐えられぬ日 なにをみても むねがあかるまぬ日 焚き火のけむりを みてゐたらば あかるまぬままに とざしたままに からだがしづまってきた...
– こころがとざして耐えられぬ日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
不思議なものだね、
とわたしは、人に、いう。
ひとひとりが
部屋にいるだけで
なんだか
部屋があたたかく
なっていくような気がする。
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– 本のなかにしまいこまれている風を想い出した日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
人と、動物園に行く。
人は、空ばかり、みている。
動物園でみる空は、まるいです、
と人が、いう。動物園は空をみるためにあるのだと
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– 檻のなかで風が咆えた日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
今年の春、
私は人生からすっかり見捨てられた気分だった。
必要としていた仕事はお流れになり、
恋人とも別れた。
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– 私は人生からすっかり見捨てられた気分だった|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
誰も「わかってた」なんて 言いたくはないさ。 そんなことで 生活を終わらせたくはないさ。 言いたくないのに、 言わなければならないとしたら、...
– 誰も「わかってた」なんて言いたくはないさ|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
風邪を引いて 寝ていたら 妻が障子をあけて 出ていった そこから冬空が まっ青にみえた 八木重吉「風邪」
– 象|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
名称は何かを切り分ける(分節化する)作用を おこなうものであるために、 わたしは何かと言ったとたん、 その〈わたし〉は、 そのときに何かと語らなかったもの、...
– 愛について語るということ|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
今夜までに死ぬにきまった 火葬にされてうめられるにきまった 母がゐた 桃子がゐた 陽二の顔がきた そいつを抱きあげて この児が思ひきれないと 云った...
– 死夢|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
そこにはだれもいないのに そこにもしろいはながさく そこにはだれもいないのに ぐるりにたかいへいがある そこにはだれもいないのに わすれることができなくて...
– そこにはだれもいないのに わすれることができなくて|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
人は、
花や植物の名に
くわしい。
いきているからね、
名前をおぼえてもしようがないです、
と野道をあるきながら、人が、いう。
...
– されどわれらが日々|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
あなたと水族館に、行ったことがある。
あなたは、魚よりも、ずっと、水をみていた。
こんなにもおびただしい量の、圧倒的な水が
...
– 炭酸の風が波立ち、泡立った日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
きょう、人に会った。 人はすこし、怒っているようだった。...
– ヒトナミに風薫る日のこと|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
ここには、 ヘムレンさんと、 ミムラねえさんと、 ガフサが すんでいた。 ここには、 どの家の 屋根の下にも、 のこることに きめた人ばかり すんでいた。...
– ニブリングとのショッキングなおそろしい出会い|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
重要なのは、 漱石の『明暗』を 「文学的」テクストとして分類することでも、 文学的に価値のあるテクストであるか否かを 決定することでもありません。...
– 西瓜糖の世界で|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
(どこで人と別れたろう?) ゆけばゆくほど 一人になる 空のまっただ中を 風船は昇ってゆく。 石垣りん「ぬげた靴」
– どこで人と別れたろう?|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
夢の中の 自分の顔と言ふものを 始めて見た 発熱がいく日もつづいた夜 私はキリストを念じてねむつた 一つの顔があらわれた それはもちろん 現在の私の顔でもなく...
– 夢の中の自分の顔というものを はじめて見た|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
わたしたちは
公園まで
あるいた。
わたしはときどき
あなたの横顔をみたが、
あなたはだまって、まえを
わたしのしらないどこかを
...
– 霧のような風が吹いた日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
山間の、忘れられたような町なかにある ちいさな公民館の図書室のすみで 太い円柱にもたれながら、 本を読んでいたことが、ある。 ちょうど、いまぐらいの、時期だ。...
– 風がきらきらとひかり輝いた日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
主人公たちはみな、 身近な人物との関わりあいの中で、 どうしようもない傷を負ってしまう。 相手を求め、うらやみながらも、 そんな自分が許せず、...
– イーサン・ケイニンの宿命|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
深夜三時に
パソコンが
いかれてしまう。
24時間体制の
サポートセンターに
電話を、かける。
若い女のひとが出る。
...
– まだ黙ってろ、アルチュセール!|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
人妻の多い生涯を送つて来ました。
高校のころに、
女友達から電話があった。
わたしはそのころ、
自宅に蟄居してずっと本を読んでいた。
...
– 人妻地獄へ、ようこそ!!|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
【Ⅰ メキシコ】
《カルロス・フエンテス「アウラ」》
上田秋成「蛇性の淫」「浅茅が宿」と
交響しあう二人称異界幻想小説...
– ラテンアメリカ文学10選~政治・性・土俗のごった煮~|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
だが、死者たちの横行には しばしば夢を破られた。 一族の血を絶やすまいとして 自然の掟と戦うウルスラ、 偉大な文明の利器という 夢を追いつづける...
– ラテンアメリカ文学10選~政治・性・土俗のごった煮~|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
ハゲタカに食い荒らされ、 海の底の動物や花で びっしり覆われるという姿で、 彼は自分のいない祝賀の かすかな花火の音を 聞いていた。 おふくろよ、...
– ラテンアメリカ文学10選~政治・性・土俗のごった煮~|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
「私はちょうど君のことを考えていたんだ」 と私は言った。 彼女は居間に足を踏み入れた。 「あれからいろんなことが あまりうまくいかなかったの」と彼女は言った。...
– 彼女は後ろを向いてドレスを脱いだ。ブラを取り、パンティーを取った。彼女は泣いていたのだと私は思う|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
クリスマス近くになると
まるで親のかたきのように
洋書売り場が活況を増す。
しかも、いちばん「オシャレ」に
売り場をデコレートするのが...
– クリスマスに丸善日本橋店3Fの洋書売り場に行こう!|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
様々な人間がやってきて 僕に語りかけ、 まるで橋をわたるように音を立てて 僕の上を通り過ぎ、 そして二度と戻ってはこなかった。 僕はそのあいだ...
– 今やり直せよ。未来を。10年後か、20年後か、50年後からもどってきたんだよ今|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
目を開けると、
コスミスミコは、卓に向かって、
しんと座っていた。
「あのねえ、
どうしてあたしのこと
好きでいてくれなかったの。
...
– クリスマスイヴだったわね、聖夜だわよ。|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
紳士は、 だしぬけに大声で、 「ハロー、メリイ、クリスマアス。」 と叫んだ。 アメリカの兵士が歩いてゐるのだ。 何といふわけもなく、 私は紳士の...
– 「ハロー、メリイ、クリスマアス。」と叫んだ|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
あのね。 星は、寒いをかたちにしたものじゃないと、 ぼくは思うな。 星はね、あったかいよ。 星の光は昔の光でしょ。 昔の光はあったかいよ、きっと。...
– 星の光は昔の光でしょ。昔の光はあったかいよ、きっと。|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
あのとき ずうっと そばに いてくれたね それが きみの とわの ともだち あのとき さいごまで まってくれたひと それが きみの とわの なかまさ...
– 一人じゃない 平井堅|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
楽しく暮らしております。 料理もしなくなりました。 しなくなると、 どうやってあのようなことが できたのだか不思議になります。 ときどき夢を見ます。...
– サヨナライツカ|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
それはもうひとつの はじまりのように感じられるのは なぜだろうか すべてはまた べつのことに つながっているのだから...
– 遺体のかたわらの詩|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
あせってはいけません。 頭を悪くしてはいけません。 根気づくでお出でなさい。 うんうん死ぬまで押すのです。 それだけです。 決して相手をこしらえて...
– あのとき最後まで待ってくれたね。|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
死のうかな、
ってふいに、ぼんやり
思い立ったときとかね、
そんなときは、
自分は、ああ幽霊なんだなって
かんがえてみるんです。
...
– 月に吠える|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
「ミムラねえさん」 と、ホムサははにかんだ声でいいました。 「もし、きみがさ、 とても大きな動物でさ、 はらをたてたら、 どこへいくと思う?」...
– たまねぎまげのミムラねえさん|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
長い間の 片思いのひとから、 「好きなひとができました。 これから一生そのひとと しあわせに暮らします」 という葉書がきた。 泣きながら、...
– 好きなひとができました。これから一生そのひととしあわせに暮らします|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
ホムサ・トフトは、 森の中を、 奥へ奥へと はいっていく。 そうだ。 ムーミンママは、 くたびれたり、 はらがたったり、 がっかりしたり、...
– ホムサ・トフトは、森の中を、奥へ奥へとはいっていく。|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
だんだん
わかってきたことなのだが、
ここ、コンビニには
「家に帰れなくなったひと」が多い。
コンビニの客層の6割は...
– ああ、お子様ランチを頼む。国旗は英国でな|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
一年か そこら前のことだが、 僕はヴィッキーが 他の男と会っていることを知った。 そのことを耳にしたとき、 僕はそれについて 彼女に直接 問いただすかわりに、...
– 愛について語るときに我々の語ること|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
私はこの 「甘い蜜の部屋」という小説を 足かけ十年かかって書いた。 それは長い、苦しい月日だった。 ことに後篇の半ばごろになってからは、...
– 2010年09月10日のブログ|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
せめてなぜ私たちは
年柄年中がんばらなければならないのか、
その辺の理由を明白にしてほしいのです。
書類にして提出してほしいのです。
...
– ファンキー! 宇宙は見える所までしかない|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
あれはわたしがまだ
病んでいたころの話だ。
わたしは歌をうたいながら
森をあるいていた。夜になると薄く色づいて輝く森で
...
– 花壇の中に、お嫁さんとお婿さんが生えていた|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回