January 2011
84 posts
“冥(くら)く、ふかい、港場だった。 世界のさいはてがあるとしたら こんな場処かもしれないな、とわたしは、おもった。 ...”
– 最後の物たちの国で|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 30th
“わたしのことをまちがえて、 「あしたさん」と呼ぶひとが、いた。 漢字にすると、「明日」だ。 わたしはおもった。 ...”
– ブロンソンならこう言うね|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 30th
“よく、まちがえる。 村上春樹の『1Q84』を注文するときも、 まちがえて『IQ~』と注文してしまい、 しかも、『IQ~』なんだっけなおいと思い、...”
– やれやれ、風|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 29th
“あのエルモライが、 なぐられてばかりいた、 字もろくすっぽ書けないエルモライが―― 冬でもはだしで駆けまわっていた あの餓鬼が、 まぎれもないそのエルモライが、...”
– 桜の園は、もうわたしのものだ!|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 29th
“私は破壊の原因より 結果に興味を持ってる。 それは現代の人間が 物語を語るときに用いる方法なんだ。 現代では原因を分析した小説を...”
– 人はいつも目の前に現れたものを通して物語る|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 27th
“あとになって、 わたしが残念に思うのは、 そのときは、立ちどまろうとも、 わきを見ようともしなかったことです。             ムーミンパパ”
– わきを見ようともしなかったことです|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 27th
“「あなたはあたしを おてんばの馬鹿だと思って 始終冷笑しているんです。 あなたはあたしを……愛していないんです。 つまりあなたはあたしと結婚なさる気が……」...”
– 「なぜ嫉妬なさるんです」と云い切って|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 27th
“ビールを半分も飲み終えないうちに、 電話が、鳴り始める。 「出てくれよ」 リビングの暗闇に向かって、わたしは、声を荒げる。...”
– 妻は声を押さえ、泣いている|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 26th
“最近、おしゃれなブログをみるのが、すきだ。 静かな午前に美術館を散歩する、 古風なつくりの本屋にいって画集をゆっくりひらいてみる休日、 ...”
– 暗黒大陸じゃがたら|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 26th
“村上春樹といったら、どうしても「ぼく」だ。 「わたし」という主語ではなく、「ぼく」という主語の親和性。 こんなこといっていいかどうかわからないし、...”
– 「僕」という村上春樹としての〈ボク〉、わたしでなく|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 26th
“祖母は、道と道代という、ふたつの名前を、つかいわけていた。 だから、わたしにはどちらが祖母のほんとうの名前なのか ...”
– 戦う司書と恋する爆弾|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 26th
“わたしの祖父母の家には、 叙情がたくさん、ちりばめられていた。埋(うず)もれていた。 わたしはそれを見つけては いちいち手に取り、眺めた。 だが、しかし、...”
– 日付のある歌|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 26th
“世界はあらかじめ 人々によって 記憶されつくしてしまっている。 だから、「何を忘れるか」だけが 問われることになる。...”
– 何を忘れるかだけが問われることになる|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 26th
“物語は、共同体の構造そのものである。 それは、内部と外部に分割された空間と、 その境界をこえる(侵犯する)ことにかかわっている。 その外部(異界)が、...”
– 小説の“小説性”|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“節度のない恋をした。 好きなのだから仕様がない といふ嗄れた呟きが、 私の思想の全部であつた。 二十五歳。 私はいま生れた。生きてゐる。生き、切る。...”
– 私はいま生れた。生きてゐる。生き、切る。私はほんとうだ。|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“短篇小説は 僕がこの世界に置いてきた、 ひとつひとつの淡い影のようなものだ。 あるいは残してきた ささやかな足跡のようなものだ。 僕はそれらが残っている場所を...”
– どこであれそれが見つかりそうな場所で|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“人がひとを好きになり、傷ついていくさまを、 わたしはだまって、となりで、みていた。 人のありとある主体のありようが ...”
– 大空のなんと青かったことか|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“私は精神科医の前で、ひといき、吐(つ)いてから、次のように、いった。 もう、睡眠薬は、要りません。ハルシオンもロヒプノールも不要です。 ...”
– 牛乳の作法|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“僕は たったひとつの 時間割を失っても、 ピアノをやめなかった。 ひとつの壁を乗り越えて 僕は向こう側の青空をみつけた。 やぶれていく 古い壁紙のむこうに...”
– 音楽|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“迷宮の廻廊を、転落して、いた。 落下しつづけながら、わたしは、 ひだりがうえで、うえがしたで、 みぎはひだりで、ひだりがうえで、 ...”
– 明日はまた違う空|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“寝床のうえで、 ひとりして、身を焦がして、いた。 天井の隅の方から、 鬼がくるよ、御前を誘いにくるよ、 御前を誘って、結(ゆ)わえにいくよ、 ...”
– アミナダブ|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“ある地点からは、 もう戻れない。 その地点までは 達することができる。          カフカ”
– もう戻れない|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 25th
“言葉は決して 〈私〉など待望したことはなく、 言語とはいつも異国語でしかない。            ドゥルーズ「消尽したもの」”
– 私など待望したことはなく|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 24th
“空をあおぎ、ゆびさし、声をあげた日が、あった。 あなだ、とわたしは、いった。あれは、穴だ。 空に穴があいていた。わたしと友人は黙って空の穴をみた。 ...”
– 風にあながあいた日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 24th
“差出人の住所も名前もない手紙が、 続けて届いたことが、あった。 宛先は、わたしだった。 わたしは、それを、読んだ。 ...”
– むずかしい愛|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 24th
“濡れるおじさんが、家に、きた。 濡れるおじさんは、雨が降ると、くる。 そして、きづくと、そこに、いる。 濡れていて、おじさんである。 ...”
– 水に生きる叔父|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 24th
“きょう、人に会った。 人はすこし、怒っているようだった。...”
– ヒトナミに風薫る日のこと|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 24th
“ときどき、文学をするということについて かんがえる。 かんがえる必要がないことなので、 よくかんがえる。 ...”
– セロリみたいな草(たぶん、セロリ)|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
15 notes
“乱歩をあれこれ読んでみて思ったのだが、 正岡子規が明治の視覚文化の結節点にいたのに対し、 江戸川乱歩を拓いてみると...”
– 江戸川乱歩―アイデンティティの散らかりようというアイデンティティ―|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
“去ったところには できるだけ もどらないようにしている。 わたしは大学の卒業式にはでなかったけれど たぶんそれは ...”
– ブラウンさん? はい。 あなたも? はい。 わたしもです。 あなたも? はい。 いっぱいいますね|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
“むかし、 すごくきれいなひとに 出会ったことがある。 ああ、きれいですねえ、 いやあ、きれいだなあ、 なんなんだろう、 ...”
– ちゃーりーに、彼女はいった。だから、これはその引用にすぎない。|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
“墓を嬉々として 見てまわる自分というものを、 少しばかり持て余す。 持て余すところから、 小説というものが立ち上がってくる。...”
– 蛇や墓や|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
“冬もまぢかな、ひっそりした秋のひとときは、 寒々として、いやなときだと思ったら大まちがいです。 せっせと、せいいっぱい冬じたくのたくわえをして、 ...”
– 長い暗やみが、思いっきりおそってくるでしょう|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
“職場で幼なじみと ふたりきりになって さて、仕事もおわろうかという頃になると わたしはよく、彼女のもとに 本をもっていった。 ...”
– 今はもうないものの光|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
“どんなに仲がよくても 次の日には 宿敵のような存在になってる。 そういうのって、わかりますか、 と電話が、かかって、くる。 ...”
– 風が敵対した日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
“だれかといると眠れないたちで、 大学院の合宿では、一晩中、ソファに座って、おきていた。 すると、だれかが、やってくる。 ...”
– 意味の調理場|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 21st
“深夜に幼なじみの友人と電話することが、あった。 すこし黙ったあとで、わたしは、 とつぜんこんなふうに彼女に、いった。 ...”
– 真夜中を突っ走れ|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 19th
“だれかと・どこかで まちあわせをしていても はずかしいので ひとだかりのなかに隠れて待っている。 待ち合わせをしたひとが あらわれても、ひとだかりのなかから...”
– ちゃーりーは、うなだれながら、青空にとびこんでいく|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 18th
“友人から電話がかかってきたとき、わたしはゆめをみていた。 わたしには、明日、決闘をしなければならないという手はずがととのっており、 ...”
– フーコーを忘れよう|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 18th
“とっても幸せな日 はやくに霧は晴れて、 ぼくは庭作業をした。 ハチドリは スイカズラの花にとまっている。 欲しいものなんてまるでない。...”
– とっても幸せな日|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 17th
“自転車のうしろに 乗せてもらったことが、ある。 自転車のうしろに おひめさまのように乗せてもらうのが むかしからのゆめだったのだ。...”
– 「リボン」と名付けられた出来事|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 17th
“運転免許の実技試験のときだ。 はやばやと試験を終えたわたしは うしろの席にすわり、 ぼんやりと次の順番をむかえた女の子の運転を、みていた。 ...”
– うさこちゃんのゆめ|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 17th
“「出ていくなんてできない」 と、Kが言った。 「ここにとどまるためにやって来た。 だからここにいる」                カフカ『城』”
– ここにとどまるためにやって来た。だからここにいる|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 17th
“わたしが買ったんだ! へへ、ちょっと待ってくださいよ、 ご友人方、 お願いだから、 頭がくらくらしちまって、 しゃべることもできやしない……。  そうだとも、...”
– 桜の園はいまやわたしのものなんだ!|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 17th
“囚われた人間は ほんとうは自由だったのだ。 この牢獄を 立ち去ることもできたろう。 格子は 一メートル間隔に はまっていたのだ。 彼はほんとうは...”
– この牢獄を立ち去ることもできたろう|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 17th
“意味が、 非=意味化によって 消滅する前に、 また震えを見せるのだ。 つまり 《たしかに意味が存在している》 のに、 その意味は「固まら」ず、...”
– それは幸せな、しかも不可能なテーマである|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 17th
“かわいい愛しのコンスエロ。 羽飾りのついた子ねずみ。 少しへんなぼくの妻。 最愛のひと。 どう暮らしていますか。 ほんとうに 新鮮な水をたたえた...”
– 新鮮な水をたたえた泉のようなあなたがいなく ぼくはさびしい|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 17th
“何のために 生きているのだろう 何を喜びとしたら よいのだろう これから どうなるのだろう その時 私の横に あなたが 一枝の花を 置いてくれた 力を抜いて...”
– 力を抜いて重みのままに咲いている美しい花だった|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 16th
“よびかけられない限り、 あなたはあなたでいられない。 よびかけられない限り、 わたしはわたしでしかない。 どれだけ、かなたまで 行こうが、わたしでしかない。...”
– 私が私であるとき、私はきみである|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 16th
“贈り物をもらった。 贈り物には、手紙が、はいっていた。 わたしは、手紙を、ひらいた。 高原を走り回りたいぐらい...”
– 空爆の日に会いましょう|誰もいない歴=御前田あなたのいつだって最終回
Jan 16th